ドライランとかプレオープン(略してプレとも云う)などと言う事もあるな。
オープン前に頭の中で、何度もオペレーションイメージを繰り返しても、実際に開店してみると問題点が多く見つかることが多い。
新店オープンとなると、開店告知の程度にもよるが近隣の一般消費者の人達は大体「どんな店なのか?」っと、珍しいもの見たさもあり一度は来てくれる。
一気に来られた多くのお客さんの対応に、慣れない厨房であたふたと探し物をしながら調理して大幅にタイムロス。慣れないホールスタッフはオーダーミスを連発する。
せっかく初めて来てくれたお客さんは、帰り際に、
「二度と来るかっ!馬鹿野郎っ!」とカンカンにおかんむり…
っで、その怒って帰ったお客さんは、大体おしゃべりで必ず他の人に言う…
体験した話が、聞いた話になり、また聞きの話になり、見えない所で悪い印象がねずみ算的に驚異的な早さで広まっていく。
負のスパイラルの始まりである…
それを避けるためにはレセプションは必ずやっておくべきである!
レセプションは通常、仕入れ取引先の人達や設備工事関係者、親類友人などを招く事が多いが、絶対に守らないといけないのは“普通に有償”にする事。
グランドオープンで、一般消費者が来店した際と同じ飲食料金を必ず貰う事が大事である。
これには小生の苦い経験がある…
愛知県瀬戸市で焼肉店でのレセプション。工事関係者や原料仕入先、友人親類など総勢40名ほど招待した。
まぁ、招待している立場なので一般有償は気が重いが、開店前にだいぶ金を使っている。来場者の寸志に任せようと言う事で、店内の真ん中辺りに大きめの壺を置き、そこへ、「寸志として幾らでも良いから入れてくれ」とした。
また、何も入っていないと寸志を投入しにくいのでは無いかと気づき、小生の財布から千円札を二枚入れて置いた。
大事な仕込みの一つである。
その後、招待客が続々と入店し、あっという間に満席になり“喰うは呑むは”のドンチャン騒ぎ。
酒屋から頂いた開店祝いの20リットルの生ダル5本は瞬く間に無くなり、肉屋からの開店祝いに貰った20k近くあった和牛3番のバラ肉の原木は、まるでピラニアの池に放り込まれた様であった。
通常営業のドライランをやりたかったので、サイドメニューの提供もあったが、僅か3時間と少しで冷蔵庫がカラになったほどである。
最後の招待客を見送り終えて、急ぎ宝の壺を覗き込んだ…
愕然とした…
入っていたのは小生が最初に仕込んだ2千円のみ…
酒屋と肉屋は良いよ、沢山協賛してくれたから…
それ以外に37人は招待したはずであるのに…
ちゃんとした大人が、酒を吞んで肉を腹いっぱい喰って… 金を払わずに帰る…
ありえんわ…
普段は、“イイ奴”でも人間の本性とはこういう時に出るものである。
人間の良心を過信してはいけない…
ドライランは招待客に一般有償である事を明確に伝えて実施すべきである。
それで来ない様な奴は、今後のお付き合いを見直す事。
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