イベントフードの世界(夏フェス編)

体験談

 ソース焼きそばを一日7時間の営業で、5人のスタッフで2,000食を提供する…

 飲食調理に関わっている人は「絶対にウソだっ!」っと云われると思う。

 しかし本当の話である…

 ただ、これを実現するには、妥協しないといけない事が多い。

夏限定で開催される音楽イベントコンサートで、フードコーナーにパイプテントで出店している人達が居る。

しかし、音楽系はやたら出店料がバカ高い…           近年では、出店料が1日/80万円とかもある様だ。

一日80万円の家賃ってヤバく無い?

更に、場合によっては売上歩率と云って、後日に「売上の10%を振り込め…」とかもある…    もう小作人の扱いである

引退したので好き勝手に云うが、主催者に告ぐ!    我々、飲食物提供者は決して、

“盗んで来たモノを調理提供している訳では無いし、搬出入車両は太陽電池で動いて無い。そしてなにより、我々は決して趣味でやっている訳では無い”

のである。

しかし、そんなバカ高いお金を払っても“お願いします”と出店する人が居る…

地主と小作人の関係を甘受するとは、正気とは思えない…

小生の場合は、主催者から出店依頼を受けた立場なので、他の人の半額以下の条件で出店できたが、他の人達は、その条件で採算が取れるのだろうか…

店舗の規模的にもプロモーションで出店している様にはおもえない。

最低でも出店料の2.5倍の売上を上げないと原材料費や人件費を賄えないので、売価を上げて原価を下げる注力する事になり、旨い物が出来るはずが無い。

また、クオリティーよりもレスポンスを優先させざるを得なくなる。

したがって、開演何時間も前から作り置きし、来場者が訪れる頃には作り置きした焼きそばを配るだけにする。

周知のとおり、音楽フェスティバルは真夏に開催される。

外気温は35度をゆうに超えている…       何時間も前に焼かれた焼きそばなどが幾つもの段ボールに山積みされ、それを販売するのである。       恐ろしい事だと思う…

売上目標は1日/150万円~200万円!

そこまでしないと達成できないし、出店料を払えない…

然しである、忘れてならないのは、1日/150万円~200万円の売上を達成するには、それだけの原材料とスタッフが当然に必要となる。

それだけの量となると数日前に注文しておかないといけないし、スタッフの確保も然りである。

万全の準備を整えて、いざ本番当日。

そしてゴールデンタイムにゲリラ豪雨発生…

人材派遣会社に頼んだ沢山のアルバイトは、やる事がなにも無く棒立ち状態…

結果の売上は目標の僅か五分の一……

大量に山積みされたパック詰めの焼きそばが全てゴミとなった瞬間である。

真夏の暑い中に、これまた熱い鉄板の前に一日立ちっぱなし…

熱中症になる寸前まで体を酷使して、200万円近い大赤字…

地獄だわな……

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